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奈良の古本屋・智林堂店主のブログ 古書買取強化中


古書店店主がつづる本と旅に明け暮れる日々..  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  【 智林堂書店 】     (電話)0742-24-2544   近鉄奈良から徒歩5分 もちいどのセンター街内 
by 智林 椰子生(ともばやし やしお)

岡部伊都子『シカの白ちゃん』を買った小さな来客

黄金週間は智林堂にとっては稼ぎどき。全国各地、いや世界中から来客があり、1年でももっともにぎわう時期だ。ヤフオクも縮小して、なるべく長時間店を開けるようにした。
今年もよく売れた! 東京からお越しのお客さん。入江泰吉の署名本をお探しという。『花大和』『古色大和路』『萬葉大和路』の3冊の大型本を前に商談。初版美本の完全本でないとだめだと。『萬葉大和路』は残念ながら再版だったので候補からはずす。残る2冊は何としてでも買ってもらわねば。
「こちらは外箱がちょっと傷んでますねー」
「中はきれいですよ。段ボールの外箱までこだわりだすと、きりないですよ。とりあえず確保しておいて、より良い状態のを見つけたときにまた買い換えられては」などと私にしては珍しく弁舌を奮い、少し値引きサービスして2冊お買い上げいただく。『古色大和路』の署名本はなかなか見つからないとのこと。欲しい本を見つけたときの相手の興奮ぶりがこちらにまで伝わってきた。
一方、岡部伊都子『シカの白ちゃん』昭58を買ったのは小学生低学年?の男の子。これはちょっと驚いた。内容的には子供向けなのだが、店にあるのは署名入小書簡付初版本で、プレミアのついたコレクター向けの本だったから。いま全財産が6千円あるという。そのうちの3分の1を当店の本に投じてくれたわけだ。感謝感激せずにおれようか。
by chirindo-tensyu | 2011-05-06 15:35 | Comments(6)
Commented by 古跡人 at 2011-05-06 20:51 x
結局、四天王寺も、最終日の一日前に行ってきました。
もう終りかけとあって、いい本がないなぁ~と思いつつ眺めて廻りました。
特にここ、歴史書の数は京都のよりも格段に少なく、出店数も少ないのがネック!
それでも目をサラのように眺め渡して、やっと以前から欲しい本を納得のお値段でゲットしました。
今度は、下鴨に期待です。
Commented by chirindo-tensyu at 2011-05-06 21:14
四天王寺、探せばいいのもありますよ、次は夏の下鴨ですか。
Commented by konohana-bunko at 2011-05-07 08:20
末頼もしいこどもさんですね。いずれ立派な古本青年になって、この日の記憶をエッセイに書いてくれないかしら、などと……。
Commented by chirindo-tensyu at 2011-05-09 20:03
このはなさん、どうもです。古本に目が利くというか、たまにそういう子供がいてビックリすることも。支那何とかという戦前の古書を買っていった小学生もいたっけ。
Commented by みやのこ at 2015-05-27 11:34 x
はじめまして、
私は埼玉県下に住んでて、以前上方・大阪にも住んでた事があるみやのこと申します。
さて、先日わたしは久々に奈良を訪ね、奈良公園をひと回りしてきましたけど、そのさい鹿苑にも行ってきて旧資料館や奈良の鹿愛護会にも訪ね、そのさい生まれたての子鹿をケアしてる母鹿の姿を見たり、かの鹿の白ちゃんのアタマの剥製とも対面しましたが、むかし大阪の市立図書館で借りて読んだ事のある『シカの白ちゃん』は、母親も子どもも、そして白ちゃん自らも「不慮の事故」で死んでしまうなんて、猛獣等による犠牲とは異なり、あまりにも残酷な試練の内容だったです。
今なら白ちゃんみたいな特異種が生まれたならば、特異種ゆえおそらく鹿苑内(それでも鹿なかまからは苛めの標的になってたかも?それでも公園デビューして、かの白ちゃんみたいな悲劇よりはマシでしょうが
)にて一生を送ってたろうが、やれネットやツイッター、いわゆる2ちゃんねるとかで騒がられてたかも知れませんけど、『シカの白ちゃん』の様な悲しいエピソードは、あの時代と比較するとかなり良くなったとはいえ、それでも今なお悲劇は繰り返してるから、心臓が抉られる思いが致します。
それでは、失礼します。
Commented by chirindo-tensyu at 2015-06-08 19:08
M様、コメントありがとうございます。

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