奈良の古本屋・智林堂店主のブログ 古書買取強化中


古書店店主がつづる本と旅に明け暮れる日々..  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  【 智林堂書店 】     (電話)0742-24-2544   近鉄奈良から徒歩5分 もちいどのセンター街内 
by 智林 椰子生(ともばやし やしお)
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おそるべし!奈良のネット古書店の情報収集力

ネット専業の同業者で当店の開店来の顧客でもある鹿畑文庫(仮称)さんがご来店、「**さんのとこ、買い取ってきたんだってー」。トップシークレットの買取先情報がもう漏れている。何でだ?
鹿畑氏は先方の店から聞き出してきたらしい。「あれー、本が消えてる。どうなったの」「いやー、じつはこれこれで」というようなやりとりがあったのだろうか。当ブログに書いたのが原因で突きとめられたのではないようで安心したが、いやなかなか鋭い人だ。いずれ、時間の問題で周囲にも知れわたるかもしれない。
古書は値段のつけ方が難しいという話にもなった。ネット専業の場合は自分の好きな本を仕入れてじっくり売ることもできるが、当店のような店売り業者ではそうもいかない。多方面から大量に入ってくるので回転を早めるため安くせざるをえず、利益率が低いのが悩みの種だ。
今回は雑本が大量にはいってきたため、どんどん均一台に出している。山田風太郎も筑摩叢書も昔の仙花紙本も百円だ。ぜひ見に来てほしい。
by chirindo-tensyu | 2011-02-27 21:01 | Comments(0)

「明治文学全集」(筑摩書房)の古書的評価

先日まとまって入ってきた『明治文学全集』。残念ながら全100巻のうちあったのは半分強。手持ちの分冊の在庫を足しても到底揃わず、1冊ずつバラ売りするしか仕方ないようだ。
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欠巻もふくめて内容を仔細に検討するため、秘蔵の内容見本を引っぱり出してきた。谷沢永一にならって出版社にせっせと請求葉書をだして送ってもらっていたのが役立った。
定価は各巻同じでも、古本的な評価は巻によりかなり差がある。たとえば、漱石や鴎外は作品自体は他の本でいくらでも読めるから、あまり値にならない。逆にこの全集でしか読めないようなものは値は高めになる。といっても、あまりにマイナーなものだと需要もなくてきびしいなと、そのへんのところを探りながら値をつけていくわけである。
それにしても、わかりづらい編集だ。たとえば田山花袋は花袋集のほか、「東京の三十年」だけは『明治文学回顧録集』という別の巻にある。宮崎湖処子は『民友社文学集』に、志賀重昂や内藤湖南は『政教社文学集』に収録されているのだが、相当の予備知識がないとたどりつけないのではないか。「帰省」という作品を読みたいのですがと客に問われて、それならこの全集の『民友社文学集』にありますよといえるかどうか、古本屋としても知識を試されるわけだ。
まあ、作者名では検索しにくい不満もあるが、よくできた全集だ。文学の範疇を越えて歴史資料的な文献も多いのが特徴。おすすめは『明治記録文学集』。横山源之助「明治富豪史」荒畑寒村「谷中村滅亡史」などが入っている。明治富豪史は教養文庫でも出ているが、古書価がやや高いから色々読めるこっちの方が得かもしれないね。
by chirindo-tensyu | 2011-02-26 08:36 | Comments(0)

古本屋の在庫力が問われるのだが

先日の廃業した同業者の店へ2度目の引取り。明治文学全集、大漢和辞典、群書類従などの全集ものを助っ人と搬び出し、棚がすっからかんに。そのスチール棚ももう不要というのでいただいてきた。
これで一件落着かと思ったら、奥の倉庫にまだあるという。案内されると、未整理の本や本以外の正体不明の物品が山積みだ。大屋さんのものもまじっているという。何ですか、それは。大屋と店子の物が渾然となっている空間なんて聞いたことがないし、当方では手のつけようもない。今日一日でやってしまいたかったが無理と判断し、整理できしだい後日また残りを引き取る手はずに。
業者なのだから当然だが、結構な量である。「市でさばけばいいよ」などと売主は簡単にいってくれるが、当店は業者の市には参加しないし、こちらが不要なものは他の業者も要らないだろう。
いよいよ倉庫が欲しいと切実に思った。しかし、仮に広いスペースがあったとしてどんどん放りこんでそれに安住してしまう危険性もある。在庫は多いに越したことないが、売れないものを抱えていてもしかたがない。倉庫を借りればたちまち場所代がかかってくるしな。身の丈で何とかやりくりしている現状でよいのかもしれない。それ以上の限界に達したら、もう受け入れないでおこう。
「溜める前に売れ」「本は熱いうちに売れ」「本は売り急げ」それらをモットーに、何とか在庫を減らしていかねば・・・。
by chirindo-tensyu | 2011-02-25 07:52 | Comments(0)

古梅園定価表を盗っていったのは誰だ

店じまいの時にふと前面の柱をみると、何かさびしい。貼りつけてあった一枚ものの昔の古梅園の定価表がなくなっているのに気づいた。あれっ、はがれ落ちたのかなと思って探してみたが見あたらない。導きだされる結論はただひとつ、誰かが故意に盗っていったのだ。そういえば来客の多い混雑時にあやしい人がいたなと思ったが後の祭である。
万引というのはイヤな話だが、この商売をやっている限りどうしても避けられない問題だ。どんな店でも必ずあるだろう。智林堂でも、何度かやられている。犯人をつかまえたことはまだない。しかし、絶対許すまいと思う。商取引の原則を根本から否定する行為だし、こちらも生活がかかっているのだ。見かけたら地の果てまで追いかけるだろう。
近隣のとある店には「盗っても盗っても虚しい」という貼り紙があった。しゃれっ気のある名文句だと思うが、犯人の心にどこまで響くのか。
別の店では「本は買ってこそ心の友になる」とあった。「万引は即警察に通報」などというあからさまな言葉を避け、ソフトな表現をあえて選んだ店主の心情を察するべきであろう。
by chirindo-tensyu | 2011-02-23 21:03 | Comments(2)

日本の城の本の熱いオークションに参加してみた

ヤフーオークションに「日本の城に関する書籍約200冊」というのが出品されていた。スタート値は500円だったが、気づいたときは5千円くらいになっていた。
画像を見ると、『奥殿陣屋よもやま話』『佐用の史跡と伝説』『久留里城誌』『石田三成と佐和山城址』など、マニアックなものがある。一方で、価値の無さそうな文庫やパンフの類も多い。個別の書名の説明は一切なく、画像では確認しきれなかった部分もあるが、これは2、3万でも買えるのではないか。正続の本がバラけたまま写っているなどウブさも感じ、入札してみる気になった。城関係の本は需要も多いし、確実にさばける自信もある。
他の多数の要望を受けてか、落札当日になって書目の詳細な追加説明が入った。それならはじめから書いといてくれよと思うが、いちいち記すのが面倒でそういう出品のかたちにしたものの意外と盛りあがってきたので慌てたのだろう。
私は早寝なので、上限額を自動入札するとさっさと寝てしまった。多分、無理なような気もしながら。
翌日、結果をみてびっくり。5万3千円で落札されている。とても手が届かなかったわけだ。でも、出品者はうまくやったなと思う。何せ始値の百倍以上だ。安値から注目を集めて競りあげていくのがオークションの基本で、はじめから5万とかついていたら誰も買わなかったのではないか。
いやー、ひょっとしてウブ荷や素人ぽさの演出などすべてが計算ずくで、出品者はプロ中のプロだったりして・・・?
by chirindo-tensyu | 2011-02-22 21:19 | Comments(0)

今回の買取依頼は同業の古書店主だった

買取話が次々にもちこまれる智林堂、本日の依頼主は何と現役の同業者!依頼人の秘密は厳守のため詳しくは話せないが、市内某所のとある店。本が売れないのでこのさい大部分を整理し、業態転換をはかるとのこと。多方面に才能のある人なので、古書業はとりあえず縮小するらしい。
ふだんはなじみの薄い店でなぜ当店にかはわからないが、とにかく見こんで言ってきてくれたんだ。期待に添えるような額だったかは心もとないが、頑張って値踏みして引きとってきた。
残したい本はもちろんあらかじめ抜いてあるのだろう。雑本やいかにも売れ残りっぽい本が多かったが、さすがに業者の棚は一味ちがう。珍本も結構混じっていた。
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谷崎潤一郎『鮫人』大15年重版、吉川英治『虚無僧系図』昭16年初版。
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コンラッド『チャンス』全2冊大15年、『赤十字條約編』明治27年、『サンダー・シング全集』昭38年など。
業者の店にあった本だから、その古書価がついている。当店の基準からは高いと感じるものが多く、次々に数字を書きかえていく。この先も、廃業などで同業者の在庫を丸ごと引き受けたりする機会もあるのだろうか。作業をしながら、ふとさびしく思った。


★後記  『サンダー・シング全集』ほか、ここに挙げたほとんどの古書は既に売切です。
by chirindo-tensyu | 2011-02-21 20:03 | Comments(2)

内田善美『星の時計のLiddell』は少女漫画屈指の名作

さて、なりゆきで少女漫画も一山仕入れてきた。見切って廃品回収に出す本、ブックオフに5円10円でもいいから売り飛ばす本を選りわける作業中にレアそうなものを発見。
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内田善美『星の時計のLiddell』全3冊。この分野に疎い私にはよくわからないが、漫画の域を超えて芸術とも文学とも評される隠れた名作らしい。とっくに絶版になっていて、根づよい復刊の要求があるにもかかわらず作者自身が再刊されるのを拒んでいるとか。うーむ、古本屋としては守備範囲が多少ちがっても気になる本ですな。
ざっと中身を見ても、よく描きこまれていてたしかに並みの少女漫画とは一線を画している。何だか、生まれながらにプレミアつきの雰囲気があるんだ。
売りたくなくなってきたが、業者だからやっぱり売ってしまうぞう。
by chirindo-tensyu | 2011-02-20 21:30 | Comments(2)

ウォール街&ウォール・ストリートの映画と本

映画「ウォ-ル街」の新作続編「ウォール・ストリート」が公開中という。前作は封切当時に観に行った。1987年の作だからずいぶん経っている。観にいきたいなと思ったが、奈良市内の映画館は今や壊滅状態。いったいどこで観ればいいのだ?
以前、某大学の経済学の元教授宅からいただいた蔵書にウォール街の本もあったなと思い、ひっぱり出してきた。
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『ウォール街の乗っ取り劇』『七人の乗取り屋-ウォールストリートの仕掛け人』など。アメリカ企業の洋書なども未整理のまま大量に残っている。
どれも内容がもう古びて今さらの観もあるし、売れそうにない。といって捨てきれずそのままにしてあったが、映画に便乗して売り出してみようかと思う。しかし、経済学の先生が専門書だけでなくこういう本も持っているのはさすが。これこそ生きた経済学だ。
by chirindo-tensyu | 2011-02-20 09:40 | Comments(0)

星新一のちょっとレアな初版本

大量のだめな本の山からいけそうなのを選りわける過程で探しあてたのが、星新一『だれも知らない国で』昭46年初版。
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新潮少年文庫(新潮文庫じゃないよ)の1冊で、帯付というのがポイント。こういう古い子供向けの本は帯がなくなっているものが多いんだ。帯だけで千円以上の値打ちがあるのでは。
星新一は我々の世代にも懐かしい作家だ。小学生の頃はクラスメートの間でも大ブームだったが、私は数冊読んですぐに飽きてしまった。その頃から、ちょっとズレていたのかなあ。いまだに人気が衰えぬのはすごいと思う。文庫本などはもう何百冊も売ったが、こういうレアっぽいのは初めてだ。
SF関連では出遅れている智林堂、今からでも遅くない。勉強して買い集めていきたいと思う。
by chirindo-tensyu | 2011-02-18 20:24 | Comments(4)

司馬遼太郎『竜馬がゆく』と探求書の話

忘れた頃に入荷するのがお客さんの探求書というやつである。
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久々に入った司馬遼太郎『竜馬がゆく』文春文庫全8冊、ある人から以前電話で頼まれていた本で、相手の連絡先をきいたはずだが失念してしまった。心あたりの人は至急ご連絡いただきたい。色々な人からよく問われる本でもあり、先に売れてしまったら再入荷待ちということでご了承いただきたい。っていうか、もう何ヶ月も前の話だから、その人も他で買われたかもね。
お客さんの探求書依頼に応じるのは楽しみでもあるが、悩みの種でもある。『竜馬がゆく』のような、新本ならいつでも入手できる本を頼んでくるというのは、古本価格でというのが暗黙の了解としてあろう。他店で定価の半額くらいで見つけ、いくらか手数料を上乗せして売るとしてもあまり儲からないし、リスクも大きくて買えない。無理して買ってきても、「他で見つけたよ」といわれたら終わりだから。絶版の高価な本ならなおさらだ。
つまり、頼まれた本でも他店で探してまではなかなか買えず、偶然の入荷を待つしかないのだが、入ってきた頃にはいつだれから頼まれたか記憶が曖昧になっている。当方の管理能力にも限界があり、個別のリクエストに必ずしも応じきれないわけだ。
それならはじめから一切請け負わない方がいいのだろうか?それも何だか冷たいし、数日後に該当の本が入ってくるということもあるしな。あえて要望を申せば、お探しの本のある人、出たら確実に入手したい人は、知らせたらそれっきりではなくできるだけ頻繁に来店して、店主の記憶に残るようコミュニケーションをとっていただきたいと思うのだ。
by chirindo-tensyu | 2011-02-18 09:34 | Comments(0)

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