奈良の古本屋・智林堂店主のブログ 古書買取強化中


古書店店主がつづる本と旅に明け暮れる日々..  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  【 智林堂書店 】     (電話)0742-24-2544   近鉄奈良から徒歩5分 もちいどのセンター街内 
by 智林 椰子生(ともばやし やしお)
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タンジェの5つ星ホテルでアフリカ料理のクスクスを賞味

フロントではスペイン語の会話が飛びかい、もうヨーロッパが近いことを予感させた。
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モロッコ最後の夜は5つ星ホテル「エル・ミンザ」に投宿。部屋からは海が眺められる。1435ディラハム。部屋へ案内してくれたボーイは、プライドがあるのか差しだした5ディラハム硬貨を受け取ろうとはしない。
「これって1ユーロの半分だぜ」
「・・・・・・」今までチップはそれでとおして来たのだが。ユーロの紙幣をぽんとはずむヨーロッパからの上客もいるのかも。でも、頼んでない軽い荷物をエレベーターで運んだだけで1ユーロは、そりゃないぜとも思う。
気をわるくしたわけではなさそうで、後で入口で会ったときにいいレストランはないかと訊くと、別の男に案内させてくれた。行ってみたが、暗そうな店でどうもピンとこない。結局、ホテルの中で夕食を摂ることに。
レストランは2つあり、西洋料理店は白人のウェーターが、モロッコ料理は民族衣裳を着たいかにもそれっぽい黒人が応対している。後者「エル・コルサン」の方へ惹かれるようにいく。
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私のほかには白人の若い女性二人連れと、流暢なフランス語を話す太っちょの女の客が一人。外国人にせよ女性が単独で食事をしている光景というのは、他の地方ではついぞ見かけなかった。この点でも、開けた街なのかと思う。
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料理はアフリカらしいものをとクスクスを注文。とろけるような骨付仔羊と7種の野菜入りで、これは絶品だった。野菜味と辛口のいずれかのスープに浸して食べる。赤ワインのカベルネ・プレジデントも、欧州産と比べて遜色のない味。値は張るが、さすがは5つ星ホテルだ。
余談ながら地元・奈良の三条通にかつてその名も「クスクス」というアフリカ料理店があった。メニューにはホロホロ鳥のステーキなどもあり、ものめずらしく贔屓にしていたのだが・・・。今となっては知る人も少ないだろう。クスクスは日本人好みの味でもあり、どこかで機会があったら試してほしい。
by chirindo-tensyu | 2012-01-25 08:51 | モロッコ | Comments(0)

メクネス新旧市街の人間模様

メクネスの新市街の銀行で唖然とした。昨日ここで日本円の両替をしたばかりなのに、今日はできないという。やりたくないだけじゃないのか・・・。
泊まったホテルでは機械の故障のためにカード決済ができなかった。それは計算外でたちまち現金が足りなくなったので、両替の必要に迫られたのだが・・・。この国では時に思いがけないことが起る。
旧市街へ行くためタクシーに乗る。神経質そうな運転手で、「フェルメ・ドゥースマン!(そっと閉めて)」と注意される。気が立っていて、つい勢いあまってしまったかな。こんな言葉でも、フランス語だと鳥のさえずりのように聞えるから不思議だ。幸い両替は旧市街の他行で難なくできた。
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メクネスのメディナはわかりやすい。フェズの大迷宮と格闘してきた身には楽勝だ。しかし、面白みには欠ける。人の密集する場所はとかく疲れる。早々に切り上げ、新市街へ戻る。
「ラ・クポル」という酒場に入ってみた。ビールは14からと庶民的な値段。すでに先客が二人いて、テーブルの前に2、3本並んでいる。私は2本で引き上げ、列車の待ち時間に駅前の食堂へ。ここでも肉団子のタジンを頼んだが、味はどうということはなかった。
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列車は例によって30分ほど遅れて入線。モロッコとしては最終目的地のタンジェへ着いたのは日没前であった。
by chirindo-tensyu | 2012-01-24 17:49 | モロッコ | Comments(0)

世界遺産ヴォルビリス遺跡を満喫

歴史的遺跡は遠くから望み見ることによってのみ初めて遺跡たりうる――なんて思ったりもするのだが、やっぱり行ってみた。ヴォルビリス遺跡。ローマ帝国の遺跡としては円型劇場もなくやや小規模だが、ここはまだ荒らされていない。とにかく周囲に何もない。じっくり古代との対話に浸りたい人にはおすすめだ。
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モザイク画もしっかり残っている。水をかけるとより鮮明に映えてくるそうだ。雨あがりに行くのが最高だが、そのチャンスはめったにないに違いない。
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遺跡の中には涸れ川がある。入っていったら番犬アヌビスに吠えられた。
夕陽に間に合うように帰る。待たせていたタクシーで名残り惜しそうに去る訪問者もいたが、私は部屋へ戻ってからもまだ遺跡を見れるのだ。泊り客ならではの特権だね。
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牛たちもねぐらへ帰る。
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羊たちも帰る。ホテルの向かいが羊飼いの家だったとは・・・。
夕陽はあっけなかった。夕食前にホテルのバーへ行くと暖炉がともっている。ビールを頼むと、飲みほしたころにサービスの豆とチーズを持ってきた。もう一杯頼まざるをえないではないか・・・。
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今夜は焼肉とワインもランクをあげてカベルネで乾杯。
by chirindo-tensyu | 2012-01-23 17:30 | モロッコ | Comments(0)

聖地ムーレイ・イドリスとタジンの昼食

あきらかに異国の町なのに、なぜか日本の湯治場にでも来たような親しみを覚えた。聖地という言葉が独り歩きして特別な地域のように錯覚してしまうが、ムーレイ・イドリスの町並みの雰囲気は下町のそれであった。
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中心のモスクにだけは異教徒は入れない。
「パノラマビュー・ポイントへ行きたいか?」男から声をかけられ、案内してもらう。もちろん、ただではすまず小銭をせびられた。
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高台から見下ろす町は、さながら絵画のようであった。
パン工房へも連れて行かれる。なかなか気のきいたガイドだ。
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パンは昔ながらの職人芸で、竈で焼いているようだ。
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広場の通り沿いにはタジンや焼肉の店が並び、濛々と煙をあげている。通りかかるとつぎつぎにタジンの蓋を開けて、「どうだい」と見せてくれる。美味しそうだったがここは聖都、酒は絶対にないに違いない。せめてビールが飲めれば・・・。
帰りはタクシーを使おうと思ったが、乗り場にはボスみたいな男が仕切っていて、30より下には下がらない。メーターなら10くらいの距離なのに。交渉の余地もなく、「セ・トゥ」(それまでだ)と言って、指で歩いていく真似をする。癪にさわる野郎だ。
どうせ帰りは下り道だ。坂道を歩いて帰っていると、普通の車がとまり、若い男が「乗って行くか?」という。思わず「いくら?」と訊いたら30とぬかす。そんなあほな。
「いくらなら乗る?」「10なら」ということで乗リ、降りぎわに払おうとしたら、「いや、金は要らないよ」。何だ、冗談だったのか。まあ、一般車が旅行者から金を取ってはいかんと思うけど。
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ホテルのレストランへ出むくと、注文したのはもちろんタジン。レモンと鳥肉を煮込んだもので、酸味がきつかったがまあまあいける。赤ワイン「クサル」も昨日のよりは美味く感じた。猫が徘徊していたが、給仕は追い払おうともしなかった。
by chirindo-tensyu | 2012-01-22 16:29 | モロッコ | Comments(0)

ホテル「ヴォルビリス・イン」とムーレイ・イドリスまでの道のり

その黄色い建物は荒野の中に忽然と現れた。ホテル「ヴォルビリス・イン」。
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「旦那、あのホテルは高いでっせ。それより、見どころを車でまわってメクネスへ戻りましょうや」とグラン・タクシーの髭面の運転手がいう。
「いや、構わん。ここに泊るから」と車を返した。
ヴォルビリスは原野に残る古代ローマ時代の遺跡である。その近くに一軒、隠れ家のようなホテルがあると知ったのは稲葉なおとの著書によってであった。ロンプラにも記載があり、いわく「エアポートホテルのようで雰囲気に乏しい・・・」好意的な意見ではなかったので迷ったが、逆にそういわれると泊ってもみたくなる。ここには空港などない。まわりには何もないという意味なのだろう。それなら市街の喧騒に疲れた心身を癒すにはうってつけだ。
というわけで長距離タクシーではるばるやってきたのだった。女性スタッフは英語もフランス語もあまり解さない。とまどいながらも部屋を確保。
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4つ星にしては設備は劣る。場末の人気のないリゾートホテルのようだ。920ディラハムは割高だが、この眺めと静けさを考えれば・・・。
遺跡はあとまわしにし、まず離れた丘の上の聖都ムーレイ・イドリスを訪ねることに。車は返してしまったので自分の足で歩くしかない。でも、この道中が何とも詩的ですばらしいのであった。
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数々の草花と動物たち・・・。車で一気に周ってしまっては、これらとのふれあいもなかったろう。
by chirindo-tensyu | 2012-01-21 16:14 | モロッコ | Comments(0)

メクネスのホテルでモロッコの砂漠の煮込み料理などを

ホテル「ピック・アルバトロス」のバーでは珍しく生ビールが飲めた。Flagという薄味のやつだが、瓶よりはうまい。フェズの迷宮めぐりで疲れた体に沁みわたるようだった。
預けた荷物を受け取り、カサブランカ行のバスでメクネスをめざす。高速道路を順調に走り1時間ほどで難なく到着。ホテルは町はずれの「トランザ・トランティック」。4つ星ということだが、やや老朽化している。室料500ディラハムは今までの水準からは半値で安く感じる。
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メクネスはワインの名産地でもあり、飲酒に関してはモロッコでは寛容な町といわれる。町へ繰り出すと一軒の酒屋が見つかった。酒のあるところ、男あり。酒を買いにきたのか、店主と話しにきただけかよくわからないような男どもが狭い店内にたむろしている。気後れしながらも缶ビールを2本求める。
今宵のホテルは高台にあり、旧市街を一望できる。テラスでビールを飲みながら夕陽を待つ。至福のひとときだ。
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夕食は近くに「ルレ・ド・パリ」という名前も外観もそれっぽいフランス料理店もあり迷ったが、結局ホテル内でモロッコ料理。泊り客は少ないのか、私一人でサービスを受ける。
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まずはハリラというカレー味のスープ。具は豆などで胃にやさしいが薄味。メインは砂漠の煮込み料理というカリタ・タジン。羊の挽肉団子と卵と香草入り。さすがに洗練はされているが、やはり味つけが薄い。ワインは「クサル」のハーフボトル。強い酸味と大地の香りがする。原始的な味わいで、悪くはなかったといっておこう。
by chirindo-tensyu | 2012-01-20 19:40 | モロッコ | Comments(0)

世界一の迷宮都市フェズ、エル・バリへ潜入

旧市街を一望できる丘の上でタクシーを乗り捨てると、私は深呼吸した。城壁に囲まれた家並みが朝の光を浴びて蜃気楼のように眼下に浮かびあがる。いよいよ、その世界一複雑といわれる迷宮都市に挑むのだ。
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峻嶮な坂を降りると、城壁をたどり手近な門から城内へ。果たして無事抜けて出られるだろうか。
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いきなりバザールの場に遭遇。足の踏み場もなく布などの商品が並び置かれ、売り手と買い手の声が飛びかう。太古の昔からこうやって交易されてきたのだろう。部外者はそそくさと立ち去るよりない。
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ミントティーを飲みながらの商談、あるいは休憩タイム。
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商品なのか私物なのか一見よくわからないまま樹木のまわりに置かれた金物。
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狭い路地では物資の運搬に驢馬が大活躍。
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さばかれたばかりの肉を狙う猫。
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駱駝の肉まで売る店も。駱駝の頭が店頭に飾られているのには慄然。羊頭狗肉ならぬ駱頭駝肉か。他の獣ではなく正真正銘の駱駝肉ですよという証であろう。しかし、多分美味いとは思えないのだが。
迷宮の商店街には、ガラクタ同然のものから貴金属までありとあらゆるものが売られている。階段の途中には囲いもなく剥き出しのATMが。本当に現金が引き出せるのかよ。
ボードレールの詩句に倣えば、「すべてものみな無秩序と混沌、奢り、騒擾、はた幻惑」
途中、観光客相手の土産店でフェズの地図も買い求めた。大まかな通りの名が記されているが、どれほどの役に立とう。道は細く曲がりくねっているばかりか高低差があり、袋小路にはまったりして行きつ戻りつしているうちに方向感覚を失ってしまう。
町全体の規模としてはさほど大きくはない。ドイツなどの城塞都市とかわらないのではないか。だが、この密度ときたら・・・。
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皮なめし地区もあった。たちまち自称ガイドが声をかけてくる。マラケシュで経験済みだから、ここは外側から望見するにとどめる。
中央部には車も通るメインロードがあり、そこへ出るとほっとする。このど真ん中からはじめるのが、あるいは一番わかりやすいのかもしれない。しかし、なかなか帰りの車を拾えない。現地の人々は他人の乗っている車でも停めて平気で相乗りしてしまうが、そこまでの芸当は私にはできない。別の城門まで車道を歩き、ようやくタクシーに乗りこんだのは最初に城内へ入ってから数時間後であった。
by chirindo-tensyu | 2012-01-19 16:54 | モロッコ | Comments(0)

シェラトンの後継ホテルでルームサービスの祝杯

その部屋番号を見たときは小躍りした。468、私の好きなヨーロッパではないか。
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ホテルはシェラトン・・・ではなくその後継の「ピックアルバトロス(信天翁亭?)」。響きからするとアメリカ系かな。元は確かにシェラトンであったらしく、敷地が広大で全体にゆったりした造り。なぜ、別のホテルに譲渡したかは不明だが、やや老朽化してブランドを保てなくなったのが一因か。ともかく、元シェラトン、5つ星なのだ。それが1090ディラハムとは割安。ただし朝食はプラス100。
ここは新市街のややはずれ。近くにスーパーがあると聞き、夕方行ってみた。アシマACIMAという本格的な建物で、新年を迎える買物客でごった返している。嬉しいことにリカーショップも併設! ずらりと並んだボトルを前に一瞬目がくらむ。ビールは9、ワインは29ディラハムくらいからある。この程度なら財布に気兼ねなく買える。
この店に集うのは男ばかり。どう見てもイスラムぽい男たちが、カート1杯分も買いあさっている。何だ、結局みんな酒が好きなんじゃん。始めは禁断の園に踏みこんだ気さえしたが、ふと我に返りビール4本とワイン1本、スーパーではパンとフランス産カマンベールチーズを買って帰る。
さて、ワインを買う時からひとつの目論見があった。それは夕食はルームサービスで頼むというものだ。レストランで食事をすると、飲物が高くついてしょうがない。ルームサービスなら持込み放題だ!
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というわけで取ったのが仔羊とプラムのタジン(煮込み鍋)、新年を明日にひかえて思いきり飲むことができた。赤ワインはアフリカの大地の味がした。
by chirindo-tensyu | 2012-01-18 18:52 | モロッコ | Comments(0)

オートアトラス越えを断念し古都フェズへ列車で向かう

マラケシュから先、オートアトラスの山脈越えをして砂漠へ出るという腹案もあったが、それをしていてはなかなかモロッコから抜け出せない。初訪で日数の限られた旅程では、月並みな早周りコースになるのもやむをえない。
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9時発の長距離列車で北東部のフェズをめざす。カサブランカまでは往路と同じ路線の折り返しとなる1等車内ではイタリア人カップルらと同室だった。女はロンプラを広げて、旅行案を練るのに余念がないようす。
「君も同じガイドブックをもっているね。でもそれは英語版だね」と男の方が話しかけてきた。彼らの本はイタリア語版で、装丁がちょっと違う。
「モロッコは英語があんまり通じないよね。でもフランス語は僕らも苦手なんだ。時々イタリア語に似てると思うこともあるけど、やっぱり全然ちがうもんね」
確かにヨーロッパの言語は、隣国同士でも似て非なるものだ。男は日記をつけたりしていたが、車窓が風景のよい場所へさしかかると、一眼レフを取り出して撮り始めた。私も負けじとキヤノンのKISSを手に立ち上がる。
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はっとするような美しい山河も見られた。残念ながら車窓は開かないので、ガラス越しに撮るしかない。途中駅に停車する前後が絶好の撮影チャンスで、他の車室からも続々カメラをもった連中が通路に出てくる。
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農道を横切る羊たちを、トラックが待ってから通過。心温まる風景だ。
例のイタリア人はガルダ湖畔に住んでいるという。ガルダ湖へは昔訪れたことがある。その地名を聞いて急に親しみが湧いたが、彼らは途中のラバトで降りた。私は終点まで乗りとおす。メクナス駅の手前で列車が減速すると、沿線の子供が思い切り石を投げてきたのには肝を冷やす。幸い窓ガラスにはあたらなかったが。
フェズには少し遅れ16時すぎの着。7時間あまりの道程だった。やれやれ。しかし、まだ宿探しという大事が残っている。
by chirindo-tensyu | 2012-01-17 18:12 | モロッコ | Comments(0)

マラケシュのホテルと革なめし職人地区と大道芸人たち

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マラケシュ駅は輝いていた。午後の暖かい陽射しを浴びながら新市街のはずれのホテルへ歩いていった。だが、歩くには遠すぎた!しかも、めあてのホテルはまさかの満室、それで真向かいの同格4つ星「ティシュカ」へ。ここも人気の宿らしく、最上階は残り1室しかないという。1200ディラハム。見せてもらって即決。部屋からはあの雪山トゥブカルが望める。ホテルの造りもモロッコ風で気にいった。
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「連泊すればもう少し安くなるよ」その言葉に惹かれたが、明日はもう移動せねばならない。
日のあるうちにとタクシーで向ったのはメディナの一角の革なめし職人地区。入口に男がいて、見学案内料50だという。
「勝手に見るからいいよ」
「それはだめ。中へ入るには許可がいるのだ」
という押し問答があり、男のあとについて案内してもらう。大ぶりのミントの葉を手に持つようにいわれた。これが許可証がわりらしく、他の白人グループも葉をもって別の案内役と歩いている。
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革なめしの作業現場などめったに見られるものではない。興味深かったが、強烈な動物臭にはまいった。加工製品の皮ジャンなどでもひどい臭いのがある。その何倍も凝縮した臭気が漂ってくる。出た後も服に臭いがついて容易にとれそうにない。そうか、ミントの葉には臭い消しの意味もあったのかと後から気づいた。
迷路のような小径をぬけて向ったのは、往き交う人々で混雑するフナ広場。
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ここの名物は蛇使いや猿回しなどの大道芸人たち。写真を撮ると必ずチップを請求されるときいていたので遠くから望遠で狙う。それでもめざとく見つけて、「金出せ」と男が追っかけてきた。
ホテルへ戻って夕食に行くがやってない。隣のホテルのレストランで少ないメニューから選んだのは、何を血迷ったか馬肉ステーキ。焼き加減をきかれたのでア・ポワン(半焼き)を指定。
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出てきたのは目玉焼の載ったハンバーグだった。どこがステーキだ? 味はやはり牛や豚より格段に劣る。挽肉の赤身が見えていたのも気になったが、新鮮な肉だったのか腹をこわすことはなかった。
by chirindo-tensyu | 2012-01-16 18:05 | モロッコ | Comments(0)

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